
三重県は北勢・中勢・南勢・伊賀・東紀州と多様な地域に分かれており、それぞれに異なる農業風景があります。特に中勢地域の津市や松阪市では、水田と畑作の両方が盛んで、耕作放棄地の管理や畦道の草刈りが頻繁に必要とされています。また、伊賀地方では山間部に近い農地も多く、傾斜地での作業が求められることもあり、斜面対応の草刈機の利用が見られます。
このように、三重県内では広範囲にわたり農地の維持管理が必要とされるため、草刈機の普及率は比較的高く、個人農家から地域の共同組合まで、さまざまな所有者がいます。その分、中古草刈機の流通や買取ニーズも高く、季節ごとに一定の需要があるのが特徴です。
三重県で特に利用されてきた草刈機の一つに「ヤンマー GC230」があります。これは自走式のモデルで、平地から中程度の傾斜地まで幅広く対応できる構造が特徴です。津市の郊外や伊勢市内の中山間部では、こういった汎用性のある機種が好まれてきました。自宅周辺の畑や田んぼの草を刈るだけでなく、耕作放棄地の管理にも活用されており、地域活動にも役立てられてきました。
一方で、伊賀市や名張市といったやや寒冷な地域では、エンジン式でパワーのある「共立 AZ850」などが重宝されており、雑草が伸びやすい梅雨時や秋口の草刈りに活躍していました。このように、地域の地形や雑草の種類に応じて、使われる草刈機のモデルにも明確な傾向があります。
草刈機の買取が三重県内で活発化している背景には、高齢化の進行があります。特に尾鷲市や熊野市など東紀州エリアでは、農作業を継ぐ人手が不足しており、草刈機のような機械を手放す農家が増えている状況です。これにより、動作可能な状態の中古草刈機の需要が増し、買取市場も広がっています。
また、桑名市や四日市市といった都市部近郊では、市民農園や家庭菜園がブームとなった一方、維持管理が難しくなって手放す家庭も増えており、家庭用の軽量草刈機の買取も目立ち始めています。個人の利用者が多い地域では、電動式や軽量エンジン式の買取が中心で、コンパクトなモデルが特に人気です。
三重県内ではリユースへの意識が高まりつつあり、農業機械も例外ではありません。不要となった草刈機を廃棄するのではなく、状態の良いものを再利用する動きが浸透してきています。特に鈴鹿市では、農機具の再生修理に取り組む地域の作業所や団体の活動が知られており、買取された草刈機がこうしたネットワークを通じて再び活用されています。
再生された草刈機は、低価格で新たな所有者のもとに渡ることができ、高齢農家や小規模農家にとっても大きな助けとなっています。新規就農者への支援としても中古農機の流通は注目されており、行政と連携した取り組みも一部地域では始まっています。
三重県では、大型の農機専門業者が展開する買取よりも、地域密着型で活動する業者や個人取引が多く見られます。名張市や伊賀市などでは、知り合いや口コミを通じた直接取引も多く、査定の際に現場確認がしやすいという地理的利点が活かされています。
また、地域の直売所や農協に掲示板がある場所では、草刈機の売買情報が手書きで貼られていることも珍しくなく、地域コミュニティ内での循環が生まれているのも三重県らしさと言えるでしょう。
三重県では農地の維持管理に草刈機が必要とされ続ける一方で、機械の更新や農業従事者の減少により、中古市場は今後も一定の活況が見込まれます。特に近年では、燃費が良く騒音の少ないバッテリー式草刈機への需要も高まっており、古いモデルを買取に出して新型へ買い替える動きも見られています。
さらに、農業体験やグリーンツーリズムの一環として、市民が農地管理に関わる機会が増えることで、家庭用草刈機の需要が再燃する可能性もあります。三重県のように農業と都市生活が隣接する地域では、こうした需要が継続的に存在し、買取市場もそれに合わせて柔軟に対応していくことが求められるでしょう。
伊勢市エリアで農機具の買取を手がける「モノリーフ三重伊勢店」は、伊勢神宮にも近い国道沿いに位置しており、伊勢・松阪方面からのアクセスに便利です。出張買取も対応しており、自走式・乗用型の草刈機(オーレック、共立、筑水キャニコムなど)を高価で買取している点が特徴です。査定は無料、現地査定・即日現金払いにも対応しており、「動かない機種でも査定します」との姿勢が地元の農家に安心感を与えています。地域の斜面農地を含む保守的な使い方にも精通しており、トータルサポートを得意とする店舗です。
公式サイト:https://mono-leaf.co.jp/area/mie/
鈴鹿・亀山・津方面に広く対応する「農機具王 三重店」は、出張査定が無料で24時間受付可能という利便性の高さが魅力です。草刈機だけでなくトラクターやコンバインなどあらゆる農機具も対象となっており、状態を問わず査定可能という柔軟さがあります。夜間や早朝に一斉に農機具整理したい方にも対応しており、県内全域からの依頼をスムーズに処理する体制が整っています。特に伊賀・北勢地域の中小規模農家にとって頼りになる存在です。
津市白山町の国道165号線沿いに立地する「農機具でっく 三重店」は、車での来店が便利な立地で、出張買取も全国対応しています。草刈機をはじめ農機具全般を対象とし、ウェブやLINEによる査定受付も可能です。地域の山間部や中山間地では、大型機よりも取り回しの良い背負い式や肩掛け式草刈機の買取相談が多く、現物確認しやすい店舗として重宝されています。比較的新しい機種から古いものまで幅広く査定対象となる点も魅力です。
私が草刈機を買取に出したのは、三重県多気町での話です。紀伊山地の麓に広がるこの地域は、今でも段々畑や棚田が残っており、昔ながらの農作業風景が見られる貴重な土地です。私の実家も代々続く農家で、幼いころから父や祖父に連れられて田んぼや畑の手入れを手伝ってきました。その中でも特に思い入れがあるのが、私が高校卒業のときに父が買ってくれたホンダの草刈機「UMK425」でした。
当時は農業に進むつもりはなかったものの、「これからはお前も家の手伝いをする機会が増えるだろうから」と渡されたその草刈機は、私にとってただの農機具ではなく、大人としての責任を感じさせられる象徴のように思えました。軽量で使いやすく、特に急傾斜の多い多気町の棚田には最適な機種でした。山の斜面に沿って丁寧に草を刈る作業は体力を要しましたが、夏の草の匂いや小川のせせらぎの音とともに、今でも記憶に焼き付いています。
しかし、時代は変わり、農地の大部分は耕作放棄地となっていきました。親戚の中でも若手は町外へ出ており、草刈りの必要性も次第に薄れていきました。特に私が会社勤めを始めてからは、休日に草刈りをするにも体力的な負担が大きく、次第にその草刈機は物置の奥で眠るようになっていました。
そんな中、地元の地域おこし協力隊が主催する農機具のリユースイベントに出かけたことが転機となりました。「必要としている人に、まだ使える農機具を届けよう」という活動に心を動かされ、私もその草刈機を誰かの役に立てられないかと考えるようになったのです。草刈機のエンジンも問題なく、年式のわりに綺麗な状態でしたので、買取に出すことを決断しました。
買取は津市内にある農機具専門のリサイクル業者にお願いしました。電話で事前に状態を伝えたところ、型番や使用年数を確認され、「それでしたらお引き取り可能ですよ」と丁寧に応対していただき、安心感がありました。持ち込み当日も査定はスムーズで、メンテナンスの状態や使用頻度などを詳しくチェックした上で、思っていた以上の金額で買い取っていただきました。
スタッフの方からは「このモデルはまだ需要があり、特に山間部や個人農家で重宝されているんですよ」と聞き、改めて私が使っていた草刈機の価値を感じました。不要なものとして放置しておくよりも、次の使い手に渡せたことで、道具もまた新たな命を得たような気がします。
三重県の中南部、特に多気町や大紀町のような地域では、機械化されていない小規模農地がまだ点在しています。棚田の維持や休耕地の草管理には、草刈機は欠かせません。そのため、中古の草刈機でも実用性があれば十分に需要があるという現実を、今回の体験を通して知ることができました。
また、三重県は県外からの移住者も増えており、半農半Xのようなライフスタイルを志向する人たちの中には、安価に農機具を揃えたいというニーズも存在します。私の草刈機も、そうした誰かの手に渡ったのかもしれないと思うと、少し誇らしくもあります。
今回の草刈機の買取を通じて、使わなくなった道具でも適切に手放すことで新たな価値が生まれることを実感しました。ただ処分するのではなく、次の使い手へバトンを渡すような気持ちで手放すことで、思い出にもしっかり区切りをつけることができました。
これからは草刈りの作業自体も業者に委託することになりそうですが、次にもし草刈機を使うことがあるとしたら、またその時のライフスタイルに合った機種を選びたいと思います。今回の経験が、農機具とどう向き合うべきかを考える良い機会となりました。三重県での暮らしと草刈機、そしてその買取体験は、私にとって忘れがたい出来事となりました。